返還から20年、香港の風景は一変しました

香港、爆買いで家賃が高騰、なじみの店がどんどん閉店へ

 

経済危機後、大陸からのビザを大幅に緩和した香港

日本より一足も二足も先に、爆買いが起こっていました

90年代終わりごろにはすでに、いわゆる中華系のお土産を売る個人商店が大幅に減ってきていたのですが、大陸客がメインになったことで完全に姿を消しつつあります

 

ガイドブックでは中華系の可愛いグッズが買えると長年紹介されてきた裕華国貨デパート

ここも数年前にフロアを大改装して、高級品やブランド品が並ぶようになりました

あとは露天街ぐらいでしか中華系土産はみあたりませんが、品質の点では今ひとつかもしれない・・・

 

そして驚くべきことにペニンシュラのあたりには、朝食を食べるような小さな店がほとんどない、なくなってしまいました

朝の定番だった粥を出す店は、ジョーダンエリアの裏道まで足を伸ばさないとありませんし、駅地下道のスープを朝ご飯にしている人も目立ちます

 

香港で閉店のことを「結業」といい、閉まる店にはそう表示されていますが、ここ数年あちこち結業だらけ

裏道へ入っていっても、昔食べたあの店はもうほとんど残っていません

 

理由は家賃の高騰です

あの有名猫クリーム兄貴の書店さえも、畳2-3枚ほどのスペースで営業していた小さな小さな本屋さえも家賃高騰で閉店を余儀なくされていたのです

日本の場合は、経営者の高齢化で廃業を決意するケースが多いようですが、香港では家賃高騰がひどく、老舗がどんどん閉店、または移転しています

 

投機マネーの流入、大陸から毎年やってくる移民、高度な人材に優先的に与えられる居住権、こういうものがあいまって香港では住宅価格が急激に上昇しています

 

特に、風水を重んじる香港のこと、海が見える部屋は大人気

価格は一ケタ違うんじゃ?と思えるような値段がついています

 

単なる爆買いだけであれば、香港人の大陸への反感は広がらなかったかもしれません、実際買ってもらうことで潤っていた人も大勢いるわけですし、ホテルもフル稼働状態、空室ばかりよりはいいといえばいい

しかし、それでもホテルマンが、「本当は大陸の人にはこないでほしい」

ブランドブティックの店員がため息交じりに、「大陸の人たちですから・・」と不満を漏らすのです

どこでもトイレ問題、ごみの投げ捨て、さらにホテルの部屋代を省くため、勝手に公園でテントをはって寝ていたり

 

97年の返還前には、香港を脱出する人たちが相次ぎ、そのために不正行為までして捕まってしまった人もいたほどでした

今年返還20年、これから香港はどこへ??